Vol.99  「令和」を大歓鯨!めで鯛時代に!!

ハレの日の魚として絵になるマダイと、本文にも登場する森田釣竿氏

いよいよ来週から「令和(れいわ)」の時代が始まる。天皇陛下の退位および皇太子さまの即位に伴い、27日から10連休になる企業も多い。お祝いムードと休みの長さから期待される特需に、水産業界も乗らない手はない。新時代の到来はぜひ、魚で祝おう。

何よりも「マダイ」

慶事の料理に尾頭付きといえばマダイ

 令和命名の由来となった「初春の令月」の令月には、「おめでたい月」の意味がある。めでたい魚といえば、やはりマダイだろう。大相撲の優勝力士が大きなマダイを両手に掲げると、祝賀会の士気が一気に上がる。

 平成時代に突入後、バブル経済の崩壊で「祝いのタイ」の意識が薄れつつあるという。ならば、令和元年こそ「めでタイ」復権の好機だ。

 単なる語呂合わせだけでない。マダイは刺身だけでなく焼く、煮る、蒸す、揚げるという調理の基本でおいしい料理が作れる。電子レンジを使えば酒蒸しも簡単だ。魚コーナーで副産物として売られている頭を使えば、より写真映えする酒蒸しができる。部位ごとの味の違いや、どんな料理にも合う多様性、色や姿形の見栄えまで含めて、マダイほどコストパフォーマンスのよい魚もない。

 日本近海のマダイは通年漁獲されるが、旬は産卵前に「桜鯛」「花見鯛」と呼ばれる春と、産卵後に再び栄養を蓄え「紅葉(もみじ)鯛」といわれる秋の2回ある。南北に長い日本で、改元時期においしいマダイが獲れる地域は多い。つまりは今が食べ時といえる。

クジラで元気に

見た目にも華やかなクジラの紅白盛り

 黒と白の縦じまが描かれた鯨(くじら)幕は、葬儀の場で使われる印象が強い。だが日本では古来、黒が高貴な色とされており、鯨幕は神事の場にも用いられ、江戸時代までは結婚式などの慶事でも使用されていた。

 現代のめでたい色といえば赤と白。くしくもクジラ料理には、赤身肉と本皮(脂身)を一緒に盛り付けた「紅白造り」と呼ぶ刺身料理がある。真っ白な脂肪と赤身のコントラストは絵になり、一緒に食べると脂のコクが赤身肉に交じって、抜群の相乗効果を発揮する。

 鯨肉は大量に食べても胃もたれしにくい。疲労軽減に効果があるとされるバレニンを多く含む。10連休とはいえ、何かと予定を詰め込みたがる日本人。休み明けに疲れを残さず、平常業務ができるよう、見た目に晴れやかで体にやさしいクジラも食べ時だ。

その気にさせる提案を

 街の魚屋でも祝いの魚を聞いてみた。千葉県浦安市「泉銀」の店主・森田釣竿氏は「お食い初めの献立用にマダイがよく出る」と話す。地域性はあるが、海の幸を代表した焼き魚は定番だ。祖父母がお祝いに振る舞うことも多い。お食い初めをきっかけに魚との距離が縮まり、常連客になった人も少なくないという。
 日常に魚を扱う森田氏は、平成を「養殖マダイが進化した時代でもあった」と話す。「天然よりうまいと、胸を張っていえる養殖物は確実に増えた。生産者の努力が素晴らしい」とたたえた。

 では、改元時に勧めたい魚とは。「天皇海山(北太平洋西部の海底山脈。クサカリツボダイやキンメダイの漁場)の魚を食べる機会にしたい。日本船が獲っていると再認識する機会にもなる」「天皇陛下は英語でEmperorだから、エンペラ(イカのヒレ)はどうかな」。

 交流サイト(SNS)ではやりを生みやすい現在。こうした頭の柔らかさで楽しく提案して、令和を魚食の年に。

令和年間にイワシの梅煮

食欲が落ちる夏も食べやすい

 令和の命名は、万葉集の「梅花の歌」32首の序文が由来とされる。魚と令和に直接の関係はないが、由来の梅は「ハモの梅肉和え」や「青魚の梅煮」が連想される。

 梅煮の素材でメジャーなマイワシは近年、資源が潤沢で漁獲量が増えている。梅干の酸味は青魚の臭みを消し、さっぱりと食べさせるうえ、骨を軟らかくする。令和の由来つながりで「イワシの梅煮」拡販の好機か。

▲ページトップへ

魚食応援バナー02
ととけんバナー
BACK NUMBER