【ととけん】2018年5月問題
Q1.ある魚の生食の習慣が定着した江戸期の川柳「女房を質に入れても初 」は、春に出回る初物に大金を投じても惜しまない江戸っ子の心情をあらわしています。下線部に入る魚を選びなさい。[2016年(第7回)3級(初級)から出題]
?鯛
?鮭
?鯖
?鰹
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【解答】?鰹(かつお)
【解説】季節回遊するカツオは、春から初夏にかけてとれる初ガツオと秋にとれる戻りガツオがある。初ガツオは季節ものとして江戸時代から珍重され、4月から5月にかけて伊豆半島近海でとれる初ものはことさら江戸っ子に人気があった。春の初ガツオは脂が少なく、皮付きのまま火であぶって氷水で冷やしてつくるたたきがおすすめ。肉がやわらかく、鮮度が急に落ちるカツオは、鎌倉時代頃まではおもに乾燥させ堅くした食材としていたため“堅魚”とよばれていたものが、音がなまって“かつお”となり、漢字も魚と堅をくっつけて鰹となったといわれる。
Q2.同じ魚でも味わう時季によって、走り(出始め)、旬(漁や味の最盛期)、名残(最後に味わえる時季)と、粋ないい回しをします。以下の組合せに正しいものが3つあります。誤りを選びなさい。[2010年(第1回)2級(中級)から]
?1月のタラは「旬」
?5月のシマアジは「名残」
?9月のハモは「名残」
?10月のブリは「走り」
A.答えを見る
【解答】?5月のシマアジは「名残」
【解説】シマアジの旬は6月から8月といわれており、5月は「走り」にあたる。走りは旬に比べあっさりとした味わいといわれる。「名残」はやや脂が落ちた状態でこれを好む人も。
Q3.高知県宿毛でのこの魚の盛漁期は初夏と秋の2度です。5?6月に水揚げされる子持ちを、焼き物や天ぷらにすれば卵の旨みと、柔らかな身のホクホクとした食感が味わえます。この魚を選びなさい。[2017年(第8回)1級(上級)から出題]
?イカナゴ
?ウツボ
?キビナゴ
?ゴマサバ
A.答えを見る
【解答】?キビナゴ
【解説】宿毛湾に集まるうまい魚のひとつキビナゴは、7?8cmほどのニシン科の魚で手開きでさばくことができる。骨が柔らかく丸ごと食べられるので、カルシウム補給にはもってこいである。刺身を酢味噌で食す鹿児島など九州が産地としては有名だが、宿毛湾も有数の産地として知られている。高知県西部、豊後水道に面した宿毛湾は波の穏やかな海で、旧日本海軍の泊地として戦艦大和の最終性能試験があった場所としても知られる。黒潮が流れ込む湾内にはマダイ、カンパチ、ブリ、クロマグロの養殖いけすが並んでいる。
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