MSE国際的趨勢、マグロセミナーで水研機構中塚氏

2017年5月25日

マグロ管理への関心の高さを示したシンポジウム

 責任あるまぐろ漁業推進機構(OPRT)は23日、東京・港区の三会堂ビルで、平成29年度第1回OPRTセミナー「マグロ資源の新たな管理方式の現状と将来」を開いた。水産研究・教育機構国際水産資源研究所かつお・まぐろ資源部くろまぐろ資源グループ長の中塚周哉氏が、マグロ類の地域漁業管理機関(RFMO)で議論されている管理戦略評価(MSE〈Management Strategy Evaluation〉)について説明。MSEは国際的潮流であるとし、「漁業者を含むステークホルダー(関係者)が理解・関与することが非常に重要」と語った。

 中塚氏はMSEについて「漁獲戦略の枠組みがうまくいくかどうかを、仮想の資源状態に漁獲管理ルールを入れて検証するプロセス」と説明。導入のメリットについては、無駄な交渉をせず総漁獲可能量(TAC)などが自動的に決まること、あらゆる想定を行ったうえで管理を検討できること、複数の管理目標を比較・選択できること?を挙げた。

 また「すべてのマグロ類のRFMOで、MSEの議論が何らかの形で進んでいる」と報告した。[....]