EDF海洋担当責任者・エリック・シュワブ氏に聞く/米国資源管理の経験と課題

2020年4月9日

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先行する米国の資源管理の実情を語るシュワブ氏

 米国は、2006年の漁業政策改革で厳しい資源管理の実施にかじを切り、10年余りで枯渇に直面していた45種の資源の危機を救った。ただ、そんな米国でもすべての資源が回復できたわけではなく、今も資源回復に向けた模索を続けている地方もある。水産改革で新たな資源管理に乗り出す日本は米国の経験から何を学ぶべきか。そして米国は残った課題をどう克服しようとしているのか。元米国海洋大気庁(NOAA)海洋漁業局長として現場の資源管理に直接関わり、現在は米国NPO法人エンバイロンメンタル・ディフェンス・ファンド(EDF=環境保護基金)で海洋政策の責任者を務めるエリック・シュワブ氏に聞いた。

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 ◇06年の制度改正で資源管理に成功したといわれる米国だが、課題はありますか。

 ◆シュワブ氏/例えばタラ類を主対象とする底びき漁業でみた場合、西海岸は資源回復に成功したが、東海岸では望んでいるペースで進んではいない。[....]