AIやIoTで定置網の漁獲予想、はこだて未来大など

2017年6月15日

 公立はこだて未来大学は北海道大学、室蘭工業大学、日立製作所などと共同で、人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)を活用した漁場や漁獲を予測するシステムの開発に乗り出す。

 道科学技術総合振興センター(ノーステック財団)の委託を受ける事業で、「AI/IoTを活用した生産と流通の最適化による持続可能な北海道水産業モデルの構築」がテーマ。全国の水揚げデータをAIで分析し漁場を予測する「おさかな前線」と、IoTを活用して定置網用の魚群探知機から得られるデータをAIで分析して漁獲を予測する「おさかな鑑定」の2つのシステムを開発する。

 「おさかな前線」には当面、スルメイカや秋サケを分析し「いつ頃、どの辺で獲れるか」を予測。

 定置網の「おさかな鑑定」は、マグロをはじめ、秋サケ、ブリなど漁獲量の多い魚種を対象とした予測システム。函館市のJF南かやべ漁協と留萌市のJF新星マリン漁協の定置漁業者が協力し、漁獲情報の提供やシステムを運用・評価する。委員長の和田雅昭同大教授は、「翌朝の漁獲の魚種や数量が前日に予測できれば、トラックの手配、船に積む氷の量などを調整でき、漁業者のコスト低減につながる。買う側にとっても種類や量が分かれば、動きやすい」と、メリットを強調する。[....]