[1003]全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)第89回会合(年次会合)の結果について

2015年11月30日

 去る6月29日から7月3日まで、エクアドルのグアヤキルで全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)第89回会合(年次会合)が開催されました。IATTCは、東部太平洋のカツオ・マグロ類資源の持続的利用を目的とする地域漁業管理機関です。
 会合には日本、韓国、中国、米国、メキシコほか中南米諸国、EU、台湾等の20の国・地域、その他協力的非加盟国等が参加しました。
 主な会合結果は以下のとおりです。
1.太平洋クロマグロ
  昨年の第87回会合(再開会合)で合意された、
 ?商業漁業については、2015年及び2016年の年間漁獲上限3300トンを原則とし、2年間の合計が6600トンを超えないように管理する。
 ?30トン未満の漁獲の比率を50%まで削減するよう努力し、2016年の年次会合において2015年の操業結果のレビューを行う。
 ―以上を内容とする現行の保存管理措置が継続されることとなりました。
  また、米国より、
 ?2024年までに親魚資源量を歴史的中間値(約4.3万トン)まで回復させることを当面の目標とする。
 ?2030年までに親魚資源量を初期資源の20%(約12万トン)まで回復させることを最終目標とする。
 ?上記目標をいずれも60%以上の確率で達成するための保存管理措置を採択する。
 ?保存管理措置の具体的内容を決定するため、様々な漁獲削減の方法ごとに親魚資源量の動向を予測する。
 ―以上を内容する資源回復計画についての提案が行われ、今後も議論を継続することとなりました。
2.メバチ・キハダ・カツオ
 科学委員会の勧告を踏まえ、現行の保存管理措置(まき網漁業:62日間の全面禁漁。沖合特定区での1ヶ月間禁漁。はえ縄漁業:国別メバチ漁獲枠の設定)が2016年も継続されることとなりました。
3.その他
 EUが提案したイトマキエイ類の保存管理措置(船上保持禁止と放流義務化等)が合意されました。この他、EUは、船上でのヒレ切り禁止も提案しましたが、我が方を始めとする遠洋はえ縄漁業国が船上でのヒレ切りを禁止すれば凍結によるヒレの品質劣化が生じるなど実行上の問題があるとして反対したため、合意に至りませんでした。
 次回の年次会合は、ラホヤ(米国)で開催されることが合意されました。
(水産庁国際課)