<魚食にっぽん>[99]/「令和」めで鯛、祝いの魚食

2019年4月22日

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ハレの日の魚として絵になるマダイと泉銀」店主の森田釣竿氏

 来週から「令和(れいわ)」の時代が始まる。天皇陛下の退位および皇太子さまの即位に伴い、27日から10連休の企業も多い。期待される特需に水産業界も乗らない手はないぜひ、魚で祝おう。

 令和命名の由来となった「初春の令月」の令月には、「おめでたい月」の意味がある。めでたい魚といえば、やはりマダイだろう。大相撲の優勝力士が大きなマダイを両手に掲げると、祝賀会の士気が一気に上がる。令和元年こそ「めでタイ」復権の好機だ。

 刺身だけでなく焼く、煮る、蒸す、揚げるという調理の基本でおいしい料理が作れる。電子レンジを使い酒蒸。魚コーナーで副産物として売られる頭を使えば、より写真映えする酒蒸しができる。部位ごとの味の違いや、どんな料理にも合う多様性、色や姿形の見栄えまで含めて、マダイほどコストパフォーマンスのよい魚もない。

 黒と白の縦じまが描かれた鯨(くじら)幕は、葬儀の場で使われる印象が強い。だが日本では古来、黒が高貴な色とされ鯨幕は神事の場にも用いられ、江戸時代までは結婚式などの慶事でも使用された。

 街の魚屋でも祝いの魚を聞いてみた。千葉県浦安市「泉銀」の店主・森田釣竿氏は「お食い初めの献立用にマダイがよく出る」と話す。地域性はあるが、海の幸を代表した焼き魚は定番だ[....]