<魚食にっぽん>[92]船橋漁協ホンビノス進化論検証

2018年9月25日

 東京湾で獲れたホンビノス貝の流通が始まって10年が過ぎた。北米原産の外来種で、当時は「硬い」と毛嫌いした人もいたそう。だが「ホンビノスがうまくなっている」と唱える声が増えてきた。世代交代を繰り返す間に環境に適応したのだろうか。生産量日本一の千葉県JF船橋市漁協を訪れた。
 20年ほど前に東京湾で発見されたホンビノスはなじみがなかったうえ、在来種のアサリが漁業の主力だったことで、流通には時間がかかった。船橋市漁協での扱いは2007年度から。冬場の低水温や青潮が発生するとアサリの漁獲量は激減する。その代替としてホンビノスの出荷が検討された。
 07年度の193トンに始まり、以降の生産量は右肩上がり。17年度は1676トンに達した。アサリに比べ青潮に強く、周年漁獲ができるため品切れしにくい。安価な点も好評な理由だ。
 味のよさも前提にある。昔は「硬い」「えぐみがある」と評価する漁業者もいたが、松本好司専務は「あくまでも感覚の問題」と前置きし『昔よりおいしくなった』と話す漁業者もいる」と話す。
 ホンビノスが東京湾の環境が影響し、北米産よりも軟らかくなった「日本種化説」がある。ホンビノスは東京湾の環境に適応し、進化したとも考えられる。[....]