<魚食にっぽん>[76] 魚食推進に戦隊キャラが活躍

2017年5月29日

愛南町の出前授業でも、映像には愛南ぎょレンジャーが登場する

 カツオにマダイ、ブリ、ヒオウギ貝、ヒジキ?。愛媛県の南端・愛南町の子供たちは、町に揚がる主要水産物を、そらで言える。当たり前のことかと思いきや、数年前にすべてを知る子は、それほど多くなかったそうだ。きっかけは「ぎょしょく普及戦隊 愛南ぎょレンジャー」にあった。
 愛南町は南宇和郡の4町1村が合併し、平成16年に発足した。「一つになった『わが町』の特産を、余すことなく知ってほしい」。愛南町水産課の兵頭重徳係長(現・課長補佐)は、自身がゴレンジャー世代だったこともあり、町を代表する5つの海産物をモチーフにしたヒーローづくりを始めた。
 ぎょレンジャーは「カツオブルー」「タイレッド」「ブリグリーン」「カキアイボリー」「ヒオウギパープル」の5人組で22年に誕生した。衣装には対象魚介で特徴的な魚の模様やヒレなどの形に、イケス網や養殖用の縄、フロートも採用された。カキアイボリーは山の栄養分が河川を通じて海へ注ぎ込まれる過程も表現され、「だからおいしいカキになる」と、生産の背景も伝える。
 子供人気は絶大で、祭りやイベントでは小学生がぎょレンジャーの衣装を着て登場する。5つの特産品がセットで町民に知れ渡り、主要水産物の周知に役立った。[....]