2020年3月30日
世の中に不景気風が吹くと訪れるのが、手軽でお金がかからないアウトドアブームだ。昨今はドラマに漫画にアニメにと、キャンプや登山をテーマに取り上げた作品が活況を呈し、キャンプ場や人気の山は多くの人々で賑わっている。その風に乗って魚食をもっと広げる余地はないのか。おつまみ缶詰のパイオニア「K&K缶つま」10周年の取り組みに注目した。
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「K&K缶つま」(以下「缶つま」)は、食品卸大手の国分グループ本社?が2010年3月に初めて世に出したプライベートブランド(PB)の高級缶詰シリーズだ。リーマン・ショックの傷が癒えずにいた当時、お金がかかる外食から「家飲み」需要への流れがあった。特に若年層は今ほど「家飲み」が定着しておらず、伸びしろが見込まれた。安売り対象でしかなかった缶詰の不当に低い価値観を変えたいとの狙いもあった。多少高くても素材にこだわり、うまい缶詰を突き詰めた。[....]