<震災から9年>福島県海産魚、出荷制限魚種ゼロに

2020年3月11日

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出荷制限魚種ゼロに至るまでには、サンプル採取における漁業者の協力も大きかった

 福島県内の沿岸漁業が大きな転機を迎えた。東日本大震災発生直後に操業自粛を決め、その後は安全と確かめられた魚種から、放射性物質の自主検査(スクリーニング)を伴う試験操業の形で徐々に漁獲量を拡大させて8年弱。2月25日のコモンカスベ(カスベ、エイの仲間)の出荷制限解除で、同県沖の海産魚の出荷制限魚種が初めてゼロ(最大時は延べ44種類)になった。今後は試験操業を拡大させつつ、漁業種ごとに本格操業への移行を目指す。

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 福島県いわき市の中央台公民館で2月27日、福島県沖の海産魚の出荷制限魚種がゼロとなって初めての組合長会議が開かれた。主催団体のJF福島漁連の野崎哲会長は冒頭、「これを契機に試験操業をより拡大方向にもっていく」と今後の方向性を語り、「震災以前の体制に戻していきたいという思いだ」と本格操業への意気込みを伝えた。[....]