<緊迫の大和堆へ>?八戸港、違法外国漁船排除を切望

2017年11月1日

違法操業を繰り返す北朝鮮漁船。大量のイカが積まれている(全国いか釣り漁業協会提供)

 日本海中央部に位置する大和堆は、中型船の船凍スルメイカ漁で最も重要な漁場である。しかし、北朝鮮や中国の漁船が日本の排他的経済水域(EEZ)内に多数押し寄せ、違法操業が横行。日本漁船は操業を妨害され漁場からの撤退を余儀なくされた。今年も間もなくイカが南下し大和堆での操業が始まる。青森県八戸港、山形県酒田港、石川県小木港で不安や怒りを抱えた漁業者たちを取材した。

 八戸港。青森県いか釣漁業振興協議会の谷地源士郎会長は「いちばん望んでいるのは安心して操業できること。国の対応は手ぬるいなんてもんじゃない。このままじゃイカの町でなくなる」と憤る。

 昨年は日本のEEZ内に、北朝鮮の木造船が数百隻侵入。小型のためレーダーに全く映らず、衝突の危険性があるため思うような操業ができなかった。これまでいなかった中国の虎網漁船やかぶせ網漁船も初めて出現。日本船より数倍強い光力を放ちながら、イカを一網打尽にしていった。

 今年6月、北朝鮮漁船は再び現れた。釣りから流し網に漁法を変更していた。網が日本漁船の漁具に絡まる危険が新たに発生。そして「俺らの集魚灯で浮いてきたイカをパーッと横取りしていった」。

 全国中型いか釣漁労長連絡協議会の大橋社会長(第67源榮丸漁労長)は「大和堆はいちばんの好漁場。そこでわれわれが獲る前に獲られたら、たまらない」。やり場のない気持ちをにじませた。[....]