<第八十二大栄丸>10年後のまき網モデルを実証操業

2017年9月1日

母港の生月港に入港する第八十二大栄丸

 大中型まき網2か統を展開する大栄水産(近藤直美社長)が建造していた改革型網船・第八十二大栄丸(199トン)が竣工、10年後のまき網漁業の生産、流通の実証試験が9月からスタートする。

水産庁の「漁業構造改革総合対策事業」(2017?22年度)で建造した改革型網船で、灯船1隻を削減。現行の2船団9隻・94人から8隻・89人体制へと操業形態のスリム化が図られている。

 復元力と作業性を高めた2層甲板の船型とし、船尾に裏こぎ作業艇・第六十二大栄丸(14トン)を搭載。1層目の船内作業区画に空調設備を導入し、快適な作業環境を提供。ブリッジを船首側に配置することで、甲板中央部に十分な作業面積を確保。漁労作業の効率化と安全性の確保を図っている。

 自船の冷海水魚槽に漁獲魚を獲り込み、そのまま産地市場に直行できる。西日本大中型まき網漁船で初搭載となるフィッシュポンプを使い出港まで最大17時間かかる陸揚げ作業を1?3時間と大幅に短縮。選別人、セリ人がいない夜間、深夜の陸揚げを可能にした。

 業界初のデルタワインダー(横揚げ式揚網機)を導入。省人・省力化を図ったほか、快適な居住空間と、安全・効率的な作業環境を提供することにより、10年後を見据えた人材確保、育成を目指す。[....]