2018年1月18日
水産改革の議論が進んでいる。改革のプラスとマイナスをてんびんにかける議論が必要」と唱える東京大学大学院農業生命科学研究科の八木信行教授に、よりろくする議論のあり方とは何か聞いた。
◇問い/昨年秋には、米国の改革を学ぶ日米シンポジウムを主催されましたが、その意図は。
◆八木/日本でも規制改革の議論が本格的に始まる状況だったので、改革のプラスとマイナスをもっと勉強しようと思ったのがきっかけ。最近は、「改革」に対し、プラス面ばかりをみている人、一方でマイナス面ばかりをみている人と両極端な状況になっている。
◇問い/今の改革議論はどう映っていますか。
◆八木/中身よりも、あの一派がいうなら反対だ、などと単純な構造になってしまっている。捕鯨問題のように二極で対立する構造になってはまずい。
◇講演では米国海洋大気庁(NOAA)長官を務めたジェーン・ルブチェンコ氏が講演しましたが。
◆八木/ルブチェンコ氏は仕組みだけつくってもうまくいかないとし、科学的な仕組みに加え、当事者である漁業者の関与の重要性を特に強調していた。
◇問い/改革という言葉が、誤解を生みやすいのでしょうか。
◆八木/ルブチェンコNOAA前長官は、改革を「リフォーム」と表現していた。陳腐化してしまった部分があるとすればそこを修正し、より使いやすいものにリフォームしていくのが本当の改革。[....]