<新春鼎談>水産王国の復活へ

2015年1月5日

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 ◇本川一善・水産庁長官
 ◇白須敏朗・大日本水産会会長

◇山下東子・大東文化大学教授(水産政策審議会会長)

 昨年、「水産日本の復活」という水産業の目指すべき目標が掲げられ、平成27年は、その目標に向けて歩み出す大切な一年になる。「かつての世界一」という経験と知恵に学び、将来に向け豊かな水産王国をどう「復活」させるか。その実現のために行政、水産業界はどう動き、道筋をたてるのか。行政代表の本川一善水産庁長官、水産業界を代表する白須敏朗大日本水産会会長と、水産政策審議会会長の山下東子大東文化大学教授の3人が、水産業が再び輝きを取り戻すための方策を語り合った。

 ◆山下教授/コーディネーター兼務で議論に参加させていただきます。最初に、本川長官に、今、水産庁が打ち出している「水産日本の復活」とは、どういうもので何をしようとしているのか、お聞かせください。

 ◇本川長官/これまで水産業については、林業と並んで「成長産業化」という目標を掲げて水産関係者が一体となって目指していける「旗印」が必要ではないかという意見がありました。いろいろ議論する中で、「かつて世界一を誇った日本の水産業をもう一度取り戻そうじゃないか」と、「水産日本の復活」という考えが出てきました。日本は16年間世界一の生産量を誇ったわけですが、それは単に世界一魚を多く獲っただけではなく、世界でいちばん多く魚を加工し、そして食べた「世界一」です。しかも、その水産の活力を通じて地域も支えてきました。それを復活させる、というのはまさに水産業界が目指すべき素晴らしい目標だと思います。

 …

◆山下教授/「水産日本の復活」という言葉には、われわれにはポテンシャル(潜在力)があったし、今もあるんだ、それを思い起こして元気を出そうではないかというメッセージであると、本川長官のお話です。白須会長はこの言葉をどのように受け止められていますか。

 ◇白須会長/水産業界の最大の使命は、国民に対して水産物を安定供給していくことです。今だけでなく、将来にわたってずっと供給し続けることが求められます。ただ、水産業は、それだけでなく、漁村をはじめとする地域社会の維持という大きな社会的役割も担っています。

 国は、都市だけが栄えても繁栄しません。水産業を核とする漁村社会、地域が維持され発展していくことにより、国土全体の均衡ある発展につながります。

 日本の水産業は2012年、世界一だった生産量は8位まで下がり、世界一の魚食民族だった消費の面でも順位を大きく落としています。しかし、日本は世界最大の漁場である北西太平洋に面し、広大な2百カイリを有しています。また、世界的な魚食ブームの中で、日本の水産物に対するニーズはますます高まる状況にあり、こうした意味で日本の水産業は将来に向け大きく発展する高いポテンシャルをもっています。この潜在力は大きい。[....]