<改革と成長>水産業のあるべき姿、濱田武士氏に聞く

2017年9月4日

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「水産業は地域産業」と熱く語る濱田教授

 農業の次は水産業。水産業改革の議論が始まる。水産業改革には何が必要か、水産業はどうあるべきか、北海学園大学の濱田武士教授に聞いた。
 濱田教授/産業としては人を増やす努力をしなくてはいけないが、難しい状況にある。就業者の減少、高齢化という環境の中で、生産性を上げるのは漁業者の力だけでは難しい状況にきている。現状を改善することはどんな産業にも必要。ただそうした取り組みは現場からが基本。自主改革しようとしているのに押し付け改革を迫られたJAの二の舞いにならないようにと願っている。
 人手が減る中、地域産業として、いかに効率性を高め安定した産業にするかだろう。国家の成長産業として展望するのではなく、地域を支えることを柱とした産業として、みること。漁業があることで地域の関連産業への波及があり、地域内に経済循環を生んでいる。この事実こそ大事。漁業構造改革では地域プロジェクトであり、浜プランも地域からの対策だ。
 産地に流通加工業など関連産業が集積しており、それらの産業を動かして、地域経済を生む原動力になる。地域経済からスタートさせる方が分かりやすい。川中・川下流通を介して国民に貢献する。
 やる気と能力はあるが、自己資本、担保が不足しているところの背中を押し、全体の底上げを図ることで、地域産業として安定した産業にすることが水産業が目指すべき将来の姿だと思う。[....]