<宮城のホヤ?>寄磯ほや部会/独特の味覚育て続ける

2017年7月21日

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鮮度保持のため船上で選別する渡邉部会長

 三陸の夏を代表する珍味として知られるホヤ。独特の味わいは熱烈なファンが多いが、主産地・宮城では今、販路の拡大が大きな課題になっている。魅力発信と販売促進に取り組む関係者を取材した。

 県内随一の大規模養殖業者が揃う石巻市寄磯浜地区。韓国の禁輸措置による大打撃を受けたが、JFみやぎ寄磯前網支所寄磯ほや養殖部会の渡邉喜廣部会長は「つらい状況でもとにかくおいしいホヤを育て続ける。それが生産者の使命」と言い切る。

 牡鹿半島東側にある寄磯浜は、比較的海流が流れ込みやすい鮫浦湾に面する。新鮮で栄養豊富な海水が必要なホヤには最適な環境だ。業者は20軒余りだが、取扱量は県内2位の年間1300トン。。

 地区では付加価値を高めるため、約25年前から産品の8割弱を生産者らが自らむき身に加工して出荷してきた。鮮度落ちが早いので船上で選別、陸揚げしてすぐ殻むきが行える体制を構築してきた。すべては食べた人に「おいしい」と言ってもらうために工夫を重ねてきた技術だ。

 廃棄を強いられる現実に、渡邉部会長は「捨てるのでは何にもならない。誰かに食べてもらいたい」と悔しさをあらわにする。そんな思いもあり、寄磯浜では4年前から「金華ほや祭」を開催している。[....]