<女性の力>船上写真家・神野東子さん、漁業の仕事伝えたい

2018年9月6日

写真集を広げ「漁師は輝いていて格好良かった」と語る神野さん

 釧路を拠点に、写真を通じて漁業者や漁業現場の魅力を伝える「船上カメラマン」として活動する。「漁業者の格好よさや、食卓に上っている魚がどんなふうに獲られているかを知ってほしい」。
 「魚のまち」釧路で生まれた。幼い頃からカメラに興味をもち高校では写真部に所属。卒業後いったん地元を離れ一般の仕事を始めたが、カメラへの思いが再燃。地元に戻り広報誌や旅行雑誌向けの撮影をするうち、「もっと人にフォーカスを当てたい。釧路で輝いている人といえば漁師さん。その姿を撮りたい」との思いが強くなっていった。
 最初の撮影はJF釧路市東部漁協に直談判し、撮らせてもらった秋サケの水揚げ風景。「本当に輝いていて、格好よかった」。以来約4年間、漁協や漁業者の協力のもと、釧路のコンブ漁、厚岸のカキ漁、猿払の定置網漁、野付のシマエビ漁などの漁船に乗り、漁業者の表情や仕事の様子をカメラに収めてきた。現場で作業を目の当たりにしていくうち、その仕事の魅力、大変さをより多くの人に伝えたいと考えるようになった。全国的にも珍しい「船上カメラマン」に、漁業者の方から「うちの船を撮りにきてほしい」と声が掛かる。今年5月、作品を収めた初の写真集「漁 海と生きる」を出版。10月からは「豊海おさかなミュージアム」(東京都)、12月からは地元・釧路空港で写真展を開く。[....]