<女性のチカラ>小寺めぐみさん・三重の海女見習い

2019年7月22日

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「漁村文化も持続可能に」と語る小寺さん

 「母、妻、嫁のほかに何ができるだろう…」。さわやかに言ってのける。水産庁の「海の宝!水産女子元気プロジェクト」メンバーに名を連ねるその行動力は、移住した三重県の離島・菅島の住民や全国の浜の女性たちも巻き込み、浜に新しい風を吹き込んでいる。自称、海女見習いだ。

 出身は海のない岐阜。立命館大学で環境と社会・ビジネスの両立を考える環境デザインインスティテュート学科(当時)を卒業後、愛知県でエレベーター制御プログラムをつくる企業にシステムエンジニアとして就職。職場で出会った男性との結婚を機に、相手の出身地である三重・菅島へ移住した。

 夫は漁師ではなく、島の郵便局長。ただ、「好きな自然と向き合える島で生活する以上、地元の役に立ちたい」と海女の世界へ。最初は反対されたが、諦める気はなかった。道具も自分で揃えた。

 海女になり、仕事を何かに生かせないかと、出身地・岐阜のドイツパン専門店と一緒にヒジキパンを開発。菅島特産ながら生産量が減っていた天然のワカメを糸状にカットした「糸ワカメ」を全国に知ってもらいたいと、製品化にも挑んだ。[....]