2020年3月4日
漁船隻数や水揚量が減れば、仲買人にとって市場の魅力は乏しく、足が遠のけば浜価は下がり、船も入りにくくなる。こうした悪循環は特に地方の小規模市場に共通した悩みで、統合・集約化が進むが、そこで漁業を営む漁業者と、その漁獲物を待つ仲買人にとって、地元に市場がある意義は大きい。JF四日市市漁協富洲原支所は、女性の力で産地市場を特徴付け、存続させていた。
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四日市市漁協は1993年に四日市市内の4漁協が合併し、現在の形ができ上がったが、川村誠組合長は「底びきといえば富洲原の印象が強い」と、地域の特徴を話す。石油化学コンビナートが立地する工業地帯でも最大の15隻の小型底びき網漁船が所属し、埋め立て地の間を縫ってクルマエビなど高級魚介類を漁獲していたからだ。[....]