<ぷろふぃる>山口英彰水産庁長官、ともに浜の活力復活へ

2019年7月10日

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「日本の漁業者の利益をどう守るかが命題」と決意語る山口長官

 2年前に次長として30年ぶりに水産庁に戻ってきた時は、水産物の生産量も船の数も減り、「活力が落ちたのでは」と予想していた。しかし次長として2年間務め「個々の漁業者や団体の話を聞くと、浜の活力をどう復活しようかと役所と一緒に取り組もうとしていることに頼もしささえ感じる」と、今の水産業の印象を率直に語る。

 昨年秋に70年ぶりとなる改正漁業法が成立。今年は政省令の策定など落とし込んだ作業を進める。「改革してもらうのは漁業者。彼らに本気になってもらわなければうまくいかない」と力を込める。

 資源管理について「目新しいデータが出てくるが『健康診断』と思ってもらえるといい」と例える。

 国際捕鯨委員会(IWC)を脱退し、商業捕鯨が始まったばかり。「調査捕鯨とは違って、下処理などをすることで鮮度を保って提供できるようになる。クジラのおいしさを知らない若い世代にも食べてほしい」と願う。クジラだけでなくサンマやクロマグロなど国際的な枠組みの中で、進めていかなくてはならない案件ばかりだ。その中で「日本の漁業者の利益をどう守るかが命題」と肝に銘じる。

 1985年3月東京大学法学部卒、同年4月農林水産省入省。福岡県出身で食べたくなるのは博多ラーメン。57歳。[....]