3Dプリンターを水産業界でも、オンリーワンの食材を

2019年4月23日

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ねり製品の原料を使って3Dプリンターで実際に作成された作品

 3Dプリンターを水産業にも利用しようという試みが始まっている。農林水産省の食料生産地域再生のための先端技術展開事業の一つ、水産物を高付加価値化するための実証研究の委託事業としてこのほど、福島県いわき市で、3Dプリンターで水産製品を作る実証実験が行われた。

 実験で利用されたのは、空気圧でシリンダーの中に詰めてある食材を積んで成形していくタイプのプリンター。型がなくても顧客の注文に合わせた商品が作れる点や、層ごとに材料を変えられる点が特徴と説明された。フードプリンターや3Dプリンターを初めて見る人も多く、完成とともに会場からは大きな驚きの声が上がった。

 参加したのはJF福島漁連の関係者のほか、スーパーや量販店の鮮魚担当者、カマボコをはじめとするねり製品などの水産加工業者ら17人。会場から今後の使い道への活発な意見が出されたという。

 実験を取り仕切ったミツイワでは「まずは多くの関係者に3Dプリンターを見てもらい、活用方法を考えてほしかった」と目的を話す。また「地元の水産物を原料に、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産にも登録された和食をキーワードにしている点でも『オンリーワンのフードプリンター』」と強調し、いわき市を「水産フード3Dプリンターの聖地にしていきたい」と意気込みを語っている。[....]