27年度までデジタル、水産庁がスマート化へ工程表

2019年3月20日

 水産庁は18日、都内で開かれた政府の未来投資会議(議長・安倍晋三首相)の構造改革徹底推進「地域経済・インフラ(農林水産業)」(会長・三村明夫日本商工会議所会頭)の第13回会合で、スマート水産業の推進に向けたロードマップを明らかにした。2020年度までに、漁業・養殖現場の生産活動のデジタル化や、データを共有するプラットフォーム(基盤)を構築する。

 27年度までにすべての水産の生産・流通の現場にデジタル化を推進することを掲げ、改正漁業法による水産改革と合わせて水産業の成長産業化を進めることを明示。資源評価・管理の高度化では、情報通信技術(ICT)を活用しデジタル操業日誌など漁船から直接情報を収集する仕組みを22年度までをめどに構築するほか、産地市場の水揚げ情報の収集も実施。同時に環境DNA解析技術を活用した生息域の把握や資源の増減の因果関係の解明も進める。

 漁業の現場においては漁海況情報をフル活用する。衛星データなど情報の高度化と利用拡大を図るほか、経験や勘に頼らない操業を実現する。養殖では、リスクの大きな要因となる赤潮や急潮など環境情報をいち早くスマートフォンなどで共有できる仕組みを21年度までにつくる。

 加工・流通を含めた対応として、生産と加工・流通が連携して生産性を改善する水産バリューチェーンを構築、取引の電子化や漁獲証明制度などトレーサビリティによる商品の高付加価値化も進める。[....]