高級食材売れるも「不調」「やや不調」多く、年末商戦

2019年1月16日

 水産業界の2018年の年末商戦は、関東圏などで気象条件に恵まれ、売れる前提は整っていた。しかし、原料の高値推移が続く中でひと筋縄でいかず、「やや不調」「不調」の商材が過半数を占めた。めぼしい代替品のない高級商材は、鮮魚専門店や富裕層向けのスーパー中心に堅調に売れたものの、代替品が幅を利かせるなど価格の勝負となった商材、食習慣が薄らぎつつある商材は苦戦傾向だった。
 主要9商材(マグロ、ブリ〈ハマチ〉、タコ、カニ、エビ、カズノコ、イクラ、サケ・マス、ねり製品)で、本紙の各商材担当記者が業界に販売動向を聞き取り「好調」「やや好調」「普通」「やや不調」「不調」の5段階で独自評価した。
 「好調」の品目はなかった。「やや好調」商材にブリとカニの2品目が挙がっている。ブリは養殖物中心の評価。冬の定番商材としてしっかりしたマーケットが形成されており、前半からの高値も関係なく、値崩れなく売れ続けた。
 記録的な高値圏にあるカニは、流通量が大きく絞られた中ではあったものの、集めたものは高級店中心に堅調に売れた。「普通」の商材はエビ、ねり製品の2品目。「やや不調」の評価はマグロ、タコ、イクラ、サケ・マスなど4品目。マグロは、生鮮・冷凍とも拡販に向く安価な商材が例年に比べて不足していたことが影響した。[....]