駿河湾サクラエビ画像でキャッチ、海洋大が計量魚探で

2019年1月21日

赤枠部分が計量魚探で捕捉したサクラエビとみられる反応

 東京海洋大学はこのほど行った報道関係者との懇談会で、練習船・神鷹丸の計量魚群探知機(計量魚探)を用い、駿河湾のサクラエビ群集を画像にとらえることに成功したことを報告した。生物採集により、画像がサクラエビだと裏付けもされている。東海正理事は漁期前の資源量推定に貢献する手法の確立により「資源管理に結び付けたい」と、研究の意義を述べた。
 甘糟和男准教授を中心に昨年9月に行った観測は、水中に発射した超音波の反射の強さや、反射音をとらえるまでの時間で生物や位置を把握する計量魚探を使う音響資源調査の手法開発を目的とした。
 昼間の航走調査では水深150?250メートルの陸棚斜面に顕著な反応がみられた。周波数が異なる3種の超音波のうち、高周波で捕捉、サクラエビなど浮袋をもたない生物特有の反応だった。
 駿河湾のサクラエビは昨年、記録的な不漁で、秋漁は資源保護を優先して全面中止を決めた。JF静岡漁連と静岡県水産技術研究所が同校に「漁業者が『エビの分布状況が従前とは違っている』と言う。現状を把握できないか」と申し出て、協定締結した共同研究の一環で実施した。[....]