難しいサンマ商戦、全国サンマ・鮮魚大手荷受・荷主取引懇談会

2012年7月17日

北海道水産物荷主協会(宮崎征伯会長)主催の「第9回全国サンマ・鮮魚大手荷受・荷主取引懇談会」が7月4日、荷受、荷主ら総勢約170人が出席す る中、釧路市で開かれた。全体討議はサンマ部会長の山田豊副会長(山田商店社長)をコーディネーターに、仙台水産の及川智宏遠海部課長と大水の安藤伸大阪 本場鮮魚部青物課長の2人をパネリストに迎え、同副部会長の磯田順治磯田水産社長の司会で進行。TAC45万5000トン(前年比3万2000トン増)の もと、在庫を抱えて迎える新漁の円滑流通、原発事故の風評がなお残る中での安全対策などについて意見を交わした。発言内容を紹介する。

≪全体会議≫

◇コーディネーター(山田部会長)/7月8日から刺網が始まるが、放射能の安全性が関心の的だと思う。検査について説明を。 ◆道東小型さんま漁業協議会・内村武夫会長/当協議会で船を仕立て、漁期前に(北海道・青森県沖太平洋で)採取したサンマを検査したところ、全く問題ないとの結果だった。

◇司会(磯田副部会長)/三陸の復旧状況および販売状況を。

◆仙台水産・及川課長/復旧・復興にはまだ至っていないのが事実。サンマに関しては、女川・石巻地区のうち女川は、岸壁の修復や製氷機の新設などが 進んでおり、水揚げに支障はないと思う。ただ、加工業者の復興は一部を除きまだなので、震災前と同じ状況とはいかない。気仙沼は岸壁の修復はほぼ完了、製 氷能力も問題なく、生・冷凍とも昨年よりかなり多い扱いができると思う。大船渡は加工業者はほぼ震災前の状況に戻りつつあり、シーズンに向けて製氷、冷凍 設備などの新設を進めている。宮古も製氷・冷凍設備の新設・復旧が進んでおり、震災前と同じような処理ができると思われる。

◆大水・安藤課長/昨年は3月の原発事故による放射能問題に大変不安をもっての商戦だった。北海道産は安全だが、三陸はどうなのかという疑問が消費 者の間にはあった。モニタリングの結果を安全性の根拠にはしていたが、当社の扱いは北海道産が中心となった。漁場形成や被災の影響がなくてもそうなってい たと思う。今期も放射能に対する安全性の確認、そしてそれを証明できる流通の仕組みをつくることが最も大事だと思う。

◇司会/会場から意見を。

◆中央魚類・卜部晃一鮮魚部鮮魚一課係長/放射能対策については、昨年同様、(福島第一)原発半径100キロの操業規制や定期的なモニタリング検査の実施、漁獲海域表示の徹底などの態勢をとっていれば問題ないと思う。[....]