長崎大の新練習船・長崎丸が進水「まきひき網」も検証

2017年10月25日

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船台を離れる長崎丸

 長崎大学水産学部が建造していた大型漁業練習船・長崎丸(1139トン、定員70人)が19日、岡山県玉野市の三井造船玉野事業所で進水した。中国の虎網を参考にした「まき引き網」を初めて搭載した日本船で、来年3月末に完成し、4月1日からの運用開始を目指している。

日本、中国、韓国、台湾の学生が乗船学習する「国際洋上キャンパス」をコンセプトに、老朽化した旧船(842トン、1986年建造)を代船建造した。旧船のトロール実習に加え、「まき引き網実習」、イカ釣り実習、ヒラメ・カレイなど底魚を対象とした底はえ縄実習を新たに導入する。

 実習海域の東シナ海が共通資源のアジ、サバを漁獲し合う国際漁場であることから、単船操業で効果的な浮魚資源の水揚げが期待される「まき引き網」(網先端まで120メートル)を全国の漁業練習船に先駆けて搭載。中国で急速に普及した虎網を参考にした漁法で、集魚灯で集めた魚群を網で巻き、船の後方から揚げることができる。

 同大学の留学生509人のうち、240人が中国、61人が韓国、24人が台湾で、水産学部にも多くが在籍。学部生全員が3学年時の必修科目として長崎丸での乗船実習が予定されている。[....]