近大ウナギにも挑戦、水産機構の技術を基に完全養殖へ

2019年11月5日

ウナギ研究について説明する田中場長

 近畿大学水産研究所(升間主計所長)は1日、都内で記者会見し、ウナギの完全養殖を目指し本格始動することを明らかにした。今月中にも研究所内にウナギのプロジェクトチームを立ち上げ、持続可能なウナギの完全養殖実現を目指す。

 近大は昨年4月、水産研究・教育機構でウナギ種苗量産研究センターのグループ長を務めていた田中秀樹氏(現・水産研究所浦神実験場長)を迎え、今年3月から和歌山の浦神実験場で、中断していたウナギ研究を再開。水産機構が開発した技術を基に6月から人工ふ化を開始し、60万個の卵を採取して人工授精した。その後4万尾の仔魚が誕生し、これまで50日齢仔魚(全長20ミリ)約20尾が成長している。その後も、人工種苗生産は続けられ、43日齢(18ミリ)約100尾など仔魚の初期飼育に成功。「順調にいけば、来年の春にはシラスウナギができる」(田中場長)見通しという。

 升間所長は、「水産研究所の熟練のスタッフや研究者の新たなアイデアを取り入れながら、ウナギでも天然資源に依存しない完全養殖を実現したい」と抱負を語った。[....]