豊洲市場移転表明、小池知事「築地は再開発で収益化」

2017年6月22日

緊急会見で豊洲市場移転と築地再開発を説明する小池知事

 小池百合子東京都知事は20日に都庁で緊急記者会見を開き、豊洲市場移転の方針を表明した。専門家会議が提言した土壌汚染対策の追加工事を施し、市場機能を全面移転する。築地跡地は都で保有。東京五輪で有効活用したあと、今から5年後をめどに再開発する。築地復帰を希望する仲卸らを呼び戻し「食のテーマパーク」化して恒常的に収益を生む拠点に再生させ、市場会計の赤字を補填する。

 豊洲市場は、開場後に財務ベースで毎年92億円の赤字、現金ベースで毎年21億円の赤字が発生することを問題視。築地跡地売却収入で現金ベースは一時的に改善するものの、20年後に手持ち資金の枯渇が予想されることから、従来の築地跡地売却のシナリオを否定。

「築地を守る、豊洲を活(い)かす」腹案を公表。豊洲市場は、専門家会議が示した地下ピットの追加対策と地下水管理システム補強策を講じて中央卸売市場機能を移転させ、物流機能を築地より増強した市場として開場させる。新機能を強化した効率経営に徹して、赤字幅を圧縮する。

 2020年の東京五輪・パラリンピックを考慮し、築地跡地を通る環状2号線は開通させ、期間中は(駐車場や資材置き場などの)輸送拠点として活用する。[....]