規制緩和と原則維持で一貫、都中央市場改正案を読む

2019年10月18日

 2020年6月の改正卸売市場法施行に向け、卸売市場の業務条例(規程)改正作業を進める市場開設者の各都市の中で、全国で最多の11の中央卸売市場を抱える東京都の中央卸売市場条例改正案が間もなく、取引業務運営協議会(運協)へ提出される。改めて読み解いてみる。

今回の業務条例改正でどうしても注目が集まりやすいのが、卸売業者に対する規制の「第三者販売の原則禁止」「商物一致の原則」と、仲卸業者に対する規制の「直荷引きの原則禁止」の行方だ。

都は、仲卸と売買参加者に限り参加できる「せり・入札」制度は残す、としたものの、各市場の裁量に委ねられることになった「その他取引ルール」の設定で、「第三者販売」「商物分離」「直荷引き」をいずれも緩和して自由化し、事後に実績報告を求める方針を打ち出した。これが「中心地の東京が大きく自由化に踏み込んだ」と一部から議論を呼んだ。卸売市場施設の「使用許可」としたことに、卸売業者と仲卸業者の垣根を壊し、不必要な競争を招くものだと批判を向ける意見も散見された。

ただ都が示す目的と方向性から読んでいくと、都の条例改正の狙いは一貫している。[....]