船員の健康管理にICT、国交省遠隔医療活用を検討

2019年11月15日

国土交通省海事局は陸上の遠隔医療や産業医制度を参考にして、船員が健全に働き続けられる環境づくりに向けた検討を始めた。遠隔医療は、医療機関に行かなくても受診できるオンライン診療サービスも参考にした。高速通信など情報通信技術(ICT)の環境整備が大前提だが、実用化できればスマートフォンを使い日本語で相談できる。洋上の船内で、どのように利用できるかなどを調査する。

 船員の働き方改革について具体的に議論する「船員の健康確保に関する検討会」(座長・久宗周二神奈川大学工学部教授)で、検討事項の一つに挙がった。検討会は9月30日に初会合を開き、10月28日の第2回会合ではオンライン診療の専門的知識をもつ委員がプレゼンテーションを行った。

 「オンライン診療」は遠隔医療のうち、情報通信機器を通じたビデオ通話で、医師が患者の診察・診断を行い、結果の伝達や処方をリアルタイムに行う。日本では2018年に、対面診療との組み合わせなどを条件にした診察方法が認められた。[....]