船とダイバー音で発見、OKIが密漁対策IoT商用化へ

2019年7月16日

密漁監視IoTシステムのイメージ図。船とダイバーの両方を監視できる

 沖電気工業(OKI、東京・港区、鎌上信也社長)は、海中音を受信する水中音響センサーを使った「密漁対策IoT(モノのインターネット)サービス」を目指し、船とダイバーの両方を監視でき、侵入船(人)を検知するとスマートフォンなどの通信端末に位置情報を知らせる技術を開発した。実証実験で効果を確認、今月下旬からは商用化モデルの機能を現場で検証、来年度の販売を目指す。

 水中音響技術による密漁対策は、総務省の2018年度「IoTサービス創出支援事業」を活用し、北海道北斗市の矢口港湾建設、増毛町と共同で取り組んだ。船の走行音やダイバーの呼吸音をとらえるため、夜間や天候、水の濁りを問わず位置を知ることができる。海中は波浪音も混じるが、これら雑音とは異なる音の領域で船とダイバーを検知する。カメラや目視では海面しか見えず、見える範囲(角度)も決まっている。音は障害物がない限り全方向で検知できる点に優れている。

 実証実験では、港外に設置したセンサーが発見率9割以上を達成する距離を、ダイバーは60メートル、船は521メートルで確認、それ以内に近づくすべてを検知した商用化には検知能力の向上が不可欠で、この距離を5倍に伸ばす予定。7月下旬から商用化に向けた試験も増毛漁港で実施する。[....]