米中「貿易戦争」エビ・サケ・マグロ水産物も影響必至

2018年7月13日

 トランプ米政権は10日、中国から輸入する2000億ドル(22兆円)相当の製品6031品目に10%の関税を上乗せする追加制裁の手続きを始めると発表、米中の「貿易戦争」は激しさを増している。9月以降に発動され運びで、対象となる水産物は加工品の89品目も含め331品目に及ぶ。マグロやエビ、サケ・マス類などほぼすべてを網羅しており、水産業界への影響は必至だ。
 米中ともに6日から貿易制裁措置を実施。中国国務院商務部は6月、25%の関税の上乗せを発表しており、品目は水産品182品目を含め659品目に及ぶ。対象となる水産品は観賞魚をはじめ、マグロ・カツオ類、サケ・マス、ヒラメ、サバ、タラ、エビ・カニなどの甲殻類、イカ・タコなどの軟体動物、貝類、魚卵、スリ身など、活魚、鮮魚、チルド、塩干、燻(くん)製品など多岐にわたる。
 中国は水産物の世界的な供給国であると同時に消費国、さらに加工地としても重要な位置付けにある。ただ、両国の上乗せ関税が第三国原料の加工品も対象になるのかが明らかになっておらず、影響の大きさは見通しづらい。[....]