[934]第30回国連食糧農業機関(FAO)水産委員会の結果について

2012年9月24日

去る7月9?13日まで、イタリアのローマにあるFAO本部で開催された第30回FAO水産委員会の結果についてお知らせします。会議の主な結果は以下のとおりです。

  1. 1.「責任ある漁業のための行動規範」および国際行動計画の進捗状況報告
    サメ類、海鳥等の行動計画を含む行動規範の実施状況調査に関するメンバー国の関心が低く、回答率が3割に満たないことに対する懸念が示され、今後、行動規範および関係行動計画などのより効率的な実施方策を検討することとなりました。
  2. 2.貿易小委員会および養殖小委員会の決定・勧告
    ワシントン条約(CITES)附属書掲載提案に対して助言を与えるFAO専門家パネルにおいて、我が国は、資源状況への科学的な評価に加え、漁業管理の実施状況および貿易措置の有効性等の観点からの評価も行うべきだという旨の発言を行い、賛同を得ました。
    また、漁業補助金の議論に関して、FAOが漁業に関する専門的な知見から引き続きWTOと協力すべきことが確認されました。
  3. 3.IUU漁業の撲滅
    多くのメンバー国から、違法・無報告・無規制(IUU)漁業の継続に懸念が表明され、監視取締措置や市場国措置等の対策の実施と国際協調が求められました。
  4. 4.国連持続可能な開発会議(リオ+20)における海洋関連事項
    国連総会を含む他の国際機関による海洋関連の国際会議やプロセスに対し、漁業の専門機関であるFAOが積極的に関与していくべきであるという主旨についての確認がされました。なお、6月にブラジルのリオデジャネイロで行われたリオ+20における合意事項を蒸し返す議論はありませんでした。
  5. 5.その他
    海賊問題について、イランより、漁船の安全性を確保するためのガイドライン作成および国際海事機関(IMO)など関係する国際機関との合同作業部会の開催が提案され、多くのメンバー国から支持されました。
    また、小規模漁業ガイドラインの早期作成が求められるとともに、多くの途上国から小規模漁業に関する小委員会設立の必要性が前回に引き続き述べられました。
  6. 6.次回会合
    次回会合は、2014年6月にFAO本部で開催される予定です。

(水産庁国際課)