福島の風評イメージより検査データ、東大など懇談会

2017年12月7日

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意見交換会で発言する関谷特任准教授

 第1回福島大学・東京大学原子力災害復興連携フォーラム「東京電力福島第一原子力発電所事故後の風評被害に関する懇談会」(福島大、東大など主催)が5日、都内で開かれた。「風評被害の現状と実態調査報告」を行った関谷直也東大大学院情報学環総合防災情報研究センター特任准教授は、風評払拭には「イメージ戦略よりも検査体制や検査結果などの周知が先だ」と強調した。
  国内外で行ったインターネットを通じたアンケート調査をベースに「風評被害、消費者行動に関する経年比較研究/国際比較研究」によると、日本国内では福島県産への拒否感が低下。そうした検査や結果などへの認知度は逆に低下していた。加えて一度、震災年に形成された福島産に対する知見が今も一部の消費者に頑強に存在していて、改善策を講じる必要があると述べた。
  関谷特任准教授は、科学による説得が非常に困難な「極端な層(消費者)」への対策ではなく、ほとんど声を上げない「中間層」に対し、いかに検査体制と検査結果の事実を周知するかに力点を置くべきだと主張。現在の検査体制を予算不足で縮小するのは愚策と断じ、「検査の周知率をどれだけ上げられるかにかかっている」と、改善に至る道筋を語った。[....]