生鮮品伸び停滞が鮮明に、量販店・スーパー上半期決算

2017年10月19日

主要な量販店・スーパー2018年2月期第2・四半期の業績概要

 主要な量販店・スーパーの2018年2月期第2・四半期(上半期)決算がまとまった。営業収益は多くの社が伸ばしたものの、近年に比べて伸びが鈍かった。粗利益を計画より稼げなかったことで、膨張する人件費などのコスト増をカバーしきれず、構造改革中の数社を除いて営業減益となった。

 過去数年、好調を牽(けん)引してきた生鮮食料品の停滞が目立った。青果の相場安の影響と並んで、水産の生魚が、不漁に伴う調達難やアニサキス報道禍以降の後遺症に苦しんだ。拡大一途だった惣菜は、賃金上昇などのコスト増で急成長にブレーキ。終盤のO157騒動も影響があった。

 量販店・スーパーが取った戦略転換は水産業界にとって逆風となりつつある。激化の様相をみせる価格競争の中、回避できない供給減・相場高を背景に水産品が応じられる状況にないことから、蚊帳の外に置かれているのが実情だ。そのために品数を絞り込んだ企業さえある。比較的堅調に伸びていた水産惣菜も、作業の外部化に伴う鮮度感の劣化は避けられず、頭打ちの可能性もある。[....]