率変更やインボイスは、軽減税率へ荷受対応が大幅遅れ

2018年8月3日

 2019年10月1日の消費税率10%への引き上げの際、同時に実施される「軽減税率制度」への対応が水産分野で遅れている。特に最も多くの考慮が必要な卸売市場の荷受業者(消費地市場は主に水産卸、産地市場は主に漁協)の動きが鈍い。「魚は飲食料品なので軽減税率8%が適用される」程度の理解では到底済まないのだが、そうした認識が不十分であることの実態がうまく広がっていかない。その先の「適格請求書等保存方式」(いわゆるインボイス制度)への対応も一括で行うことも想定すると、システムや経理上の対応が間に合わない荷受が続出するのではないかとの懸念が出てきた。
 委託販売手数料、運賃、出荷奨励金、完納奨励金…いずれも飲食料品の取引ではなく「サービスへの対価」扱いであることから、軽減税率の対象外、すなわち標準税率10%になる。軽減税率が適用される本体の魚の取引と分けて考えることが必要になる。中でも、委託販売の扱いは大きな懸念材料。
 課税売上高の計算方法の変更に伴うシステム改修などをどうするのか、荷受が対処すべき課題は多い。委託販売にかかる「課税売上高」の計算方法は、軽減税率の実施を境に一変する。
 青果や食肉はインボイス制度の導入まで想定した対応の検討に動き始めているが、「水産は遅れている」(関係者)。[....]