瀬戸内の天然活魚を備蓄し遠隔地集荷、三原のマリンネクスト

2019年5月21日

メディアからも注目を集める低塩分蓄養技術や二酸化炭素睡眠輸送

 水産卸?クラハシ(広島県福山市、天野文男社長)の100%出資会社マリンネクスト?(三原市)は、魚の傷が治りやすくなる低塩分蓄養技術や二酸化炭素(CO2)で魚を眠らせる技術を使い、天然活魚を備蓄するとともに、効率的な輸送を行う事業を本格的に開始する。天然活魚を備蓄することで供給量と魚価の安定化を図るとともに、高鮮度維持したまま遠隔地に効率的に輸送し、瀬戸内海産鮮魚のブランド化と高付加価値化により販路拡大を進め、産地活性化につなげていく。

 魚を海水よりも塩分濃度が低い水槽などで蓄養する「低塩分蓄養技術」は、広島県立総合技術研究所水産海洋技術センターと県立広島大学の共同研究による成果。魚種によって最適な塩分濃度は異なり、県が特許技術をもつ。また、日建リース工業?の、二酸化炭素で魚を眠らせることで輸送時の魚への負担を減らし効率的に輸送する「睡眠輸送」技術も活用する。

 マリンネクストは三原市糸崎に3月、1億2000万円をかけて新建屋を建設。5トン水槽2基とろ過設備などを整備した。これまでにマダイ、コチ、キジハタで輸送試験を実施。「睡眠輸送」で福山市から東京・豊洲市場への配送では問題がないことを確認している。今後さらに5トン水槽2基とろ過設備を導入する予定。初年度売上高見込みは5億5000万円。5年後10億円の売上高を目指す。[....]