深海のユーレイイカ水族館でゆらーり展示、佐渡で水揚げ

2019年3月6日

生きたまま水揚げされた深海のユウレイイカ

 水深200?600メートルの深海で生息し生態が謎とされるユウレイイカが2月27日、新潟県佐渡島で今年初めて生きたまま水揚げされた。島の北端に近い、両津地区鷲崎沖の水深70メートル前後の海域に内海府漁業生産組合が仕掛けた定置網でブリや小魚とともに1尾が掛かった。展示公開用として佐渡水産物地方卸売市場から相川地区北狄の「尖閣湾揚島遊園あげしま水族館」(佐藤義寿館長)へ移された。

 普通のイカと違い泳ぐのが苦手で、普段は海中に浮遊しながら生息。首に相当する部分が長くて体全体が軟らかく透明な体と足の動きが幽霊のような動作をすることから、その名が付いている。体長は約55センチと過去に新潟県内で獲れたものに比べて大きかった。ヒレも完全な形をしていて、環境に慣れ、ユラユラと元気に泳いでいる。水槽の底にいる時は足を底に付けて体を少し持ち上げるようにし、口の部分を上へ向けて泳いでくる餌を待つ生態も観察できる。

 珍しい魚の水揚げに、現役漁師でもある佐藤館長は「佐渡島海域は魚介類の宝庫だが、傷がない貴重な標本なので、大切に育てたい。大漁を招くユウレイイカであってくれるとうれしい」と話す。[....]