流通高度化や賑わい創出、全国の漁港の機能分担加速

2018年12月7日

競争力強化へ機能分担が進む漁港

 全国には約3000の漁港が存在し、かつてはその多くで多種多様な水産物が水揚げされていた。しかし、漁業者や漁船の減少もあり、1か所に集まる水産物も減少。販売競争力の弱体化が指摘されるようになった。こうした時代の情勢に合わせ、流通や生産、防災、賑わいの拠点といった漁港ごとの機能分担を進める動きが加速している。
 昨年3月に閣議決定された5か年の漁港漁場整備長期計画では、従来からの延長として漁港の生産・流通強化を図る「水産業の競争力強化と輸出促進」を掲げたが、それまでになかった「漁港ストックの最大限の活用と漁村の賑わいの創出」も新たな方針として示した。
 いくつかの漁港を圏域としてとらえて、その中で流通の拠点となる場所や(養殖)生産の拠点、防災拠点など、それぞれの役割を明確化、特に流通面では機能を集約させる考えだ。限られた予算内ではすべての漁港で衛生管理など流通高度化に取り組むことは現実的ではなく、水産物を1か所に集約させ流通高度化を進めることで、輸出を含めた競争力の強化につながる。こうした大きな漁港は「流通拠点漁港」と位置付けられ、150漁港が該当。長期計画の期間中に陸揚げ機能の強化など必要なハード整備が行われ、事業継続計画(BCP)の策定などソフト面の取り組み加速も促進している。[....]