流通経路で生産者手取り大差、農水省が段階別価格調査

2019年4月10日

 農林水産省統計部は9日、小売価格に占める生産者の受取(手取り)価格の割合や卸売市場経由、消費者への直販、量販店等の小売業者への直接販売など流通経路別のウエートなどを調べる「2018年食品流通段階別価格形成調査」を発表した。今回は産地卸売市場を経由しない、直販などの市場外流通調査も初めて実施され、これまで1?2割程度とみられていた産地卸売市場を経由しない水産物の流通比率は17年の段階で32・3%に達し、小売価格に占める生産者の受取価格の割合は小売業への直接販売でも66・8%と非常に高いことが分かった。生産現場に続いて流通構造の改革が問われている中で、今後の水産物流通のあり方を問う重要な指標となりそうだ。

 結果をみると、卸売市場を経由した水産物が67・7%にすぎず、かなりの程度の水産物が市場外流通している実態が浮き彫りになった。「量販店、個人商店への直接販売」は全体の5・5%を占め、小売価格に占める生産者受取価格の割合は66・8%。「消費者への直販」は全体の3・1%を占め、小売価格に占める生産者受取価格の割合は90・9%となり、卸売市場(産地および消費地)経由の場合の17年の小売価格に占める平均的な生産者受取価格の割合の31・6%を大きく上回っている。[....]