水産物輸出促進へ全国初、苫小牧港で屋根付き岸壁供用

2018年5月24日

苫小牧港に完成した屋根付き岸壁

 国土交通省港湾局の「農水産物輸出促進事業」の一環として整備していた苫小牧港西港区汐見地区の屋根付き岸壁の第1期工事が完成し、19日、現地で供用式典が開催された。漁港では衛生管理型漁港の整備が全国各地で盛んに進められているが、農水産物の輸出促進を目的とした港湾の屋根付き岸壁としては全国第1号の供用開始となる。
 苫小牧港の2017年水産品輸出額は258億円と全国2位の規模を誇る。国交省は昨年度、農水産物の輸出促進に向けた屋根付き岸壁や冷凍・冷蔵コンテナの電源供給設備の整備に対する支援制度を創設。全国で初めて、港湾管理者連携による「農水産物輸出促進計画」を認定した。
 これを受け、北海道開発局室蘭開発建設部は昨年7月、老朽化していた汐見地区水深3メートル物揚場に全国初の水産物輸出競争力強化のための屋根付き岸壁を整備する工事に着手した。屋根付き岸壁の延長は全体で251メートル(屋根の高さ4メートル、幅8・5メートル)。そのうち、第1期工事として今年3月下旬に52メートルが完成。第2期工事(75メートル)は来年3月に完成予定。
 式典は苫小牧港管理組合と室蘭開発建設部の主催で開催。地元選出国会議員をはじめ、道、道議会、JF苫小牧漁協などから関係者100人以上が出席し、テープカットをした。[....]