水産データ電子化「目的」「動機付」必須、水産庁WS

2019年3月12日

 水産庁と水産研究・教育機構(水産機構)は7日、東京に米国の水産(漁獲)データ収集や電子化の専門家2人を招き国際ワークショップを開催した。電子化水産データの収集・活用には導入の「目的」や漁業者に対する「インセンティブ」(動機づけ)の明確化などの必要性が指摘された。

 全米で水産データ収集電子化委員会の議長を務めるドロシー・ローマン氏(中西部太平洋まぐろ類委員会〈WCPFC〉米国委員)と、米国西海岸で底魚漁業データ収集管理に取り組むシェムズ・ジェド氏(EDF太平洋地域ディレクター)の2人。司会を務めた水産機構の宮原正典理事長が、水産改革に取り組む日本の現状を紹介しながら、依然、紙ベースの漁獲データ収集が行われている現状について、「現行のデータ収集で管理をすると、管理措置の議論に時間がかかるため2?3年遅れの資源状態に基づき管理措置が取られる結果となる。逆に、電子化で評価の遅れが縮まれば資源回復をいち早く漁獲枠に反映できる。枠を決める議論に時間がかかるのも『資源評価の結果と漁場の現状が違う』と言われることにあることも想起すべきだ」とデータの電子化がもたらす漁業者のメリットを紹介し、「データの電子化がグローバルスタンダードになりつつある中で、東南アジアでも電子化は進んでいる。日本が遅れを取るわけにはいかない」と日本のデータ収集の電子化の遅れに危機感を示した。[....]