根室でベニザケ養殖、4漁協と市の推進協が実証実験へ

2018年5月7日

 ロシア水域サケ・マス流し網漁業の禁止を受けて水産研究・教育機構北海道区水産研究所が行う「ベニザケ養殖技術開発」の研究成果の受け皿として、根室市4漁協(根室、歯舞、根室湾中部、落石)と根室市は4月26日、「根室市ベニザケ養殖推進協議会」を設立し、今年度から実証試験に乗り出す。
 研究は水産庁の委託事業として2016年度から実施され、ベニザケを海水飼育する際の適正水温や成長・成熟の速度などの基礎情報が明らかになった。海面での実証試験により養殖産業化の可能性を検証するが、受け皿として、推進協議会を立ち上げ、小規模な実証試験に乗り出すことにした。
 会長にJF根室漁協の大坂鉄夫組合長が就任。オブザーバーに北水研、根室振興局水産課、根室地区水産技術普及指導所が参加。担当者レベルの作業部会も設置した。
 今年度は根室半島沿岸で漁獲されたベニザケを親魚として確保し、採卵作業を行い、稚魚を生産する。「天然の親から採卵した方が丈夫な稚魚ができ」との期待のもと、天然ベニザケを親魚として使う。
 2年半ほどかけて200グラムまで成長させてから、根室湾に設置するイケスで5月から12月まで7か月間養殖し、5倍の1キロに成長させ、年内に出荷することを目指す。[....]