来た!銚子マイワシ、魚群残るか「入梅型」を期待

2019年6月7日

 犬吠埼?鹿島沖で漁獲されるマイワシの脂が、日ごとに増している。主要水揚げ港の銚子漁港では6月に入り、「入梅(イワシ)の型になってきた」との声も聞かれ出した。好転を喜ぶ一方で、近年は主群が沖へと移動する時期が早く、質の高い加工原料を確保したい加工業者らは「今年こそ、夏まで水揚げが続いてほしい」と、切望する声が上がる。

 まき網漁業によるマイワシ漁は、2月中旬から日に1000?3000トン台の漁獲が始まった。銚子漁港の扱い量は、3月から5月までの3か月間で10万トンを超えている。魚体は当初60?80グラムで脂が薄く海外輸出や飼料向けが主だったが、5月下旬から100グラム超の割合が増え、脂も乗り始めた。関東地方では今週末に梅雨入りの予報もあり、名実ともに旬の「入梅イワシ」の季節が始まる。5月まではキロ30?40円台だった浜値が、6月に入ると70円台の高値も付いた。鮮度は申し分なく、型もよいため、脂が乗れば価格はさらに上がる可能性も高い。

 「今後も漁が続いてほしい」と切望する声は漁業者だけではない。サバ食ブームにより2018年12月のまき網サバは平均でキロ135円まで跳ね上がった。2年で2倍の価格だ。サバを扱う事業者は不足感と高値に苦しむ。同じ青魚のマイワシは「化ける」可能性を秘める。[....]