札幌で全国ホタテ懇、ボイル需要遅れ、玉令円滑出荷を

2019年5月31日

 北海道水産物荷主協会(根田俊昭会長)主催の「第25回全国ホタテ大手荷受・荷主取引懇談会」が29日、札幌市のホテルで開催され、北海道の生産者、加工業者、全国の卸、商社の関係者らが、ボイルや玉冷ホタテの販売策について討議した。ボイルについてはマーケットの回復が遅れているとの声が聞かれ、玉冷は値頃な価格形成に加え、円滑な供給体制をどう築くかが課題との認識が示された。

 ボイルは一昨年、噴火湾産原貝の大減産により、生産量が大きく減産し、価格も高騰。昨年は一定程度回復したものの、今期(2018年10月?19年5月)は再度の噴火湾産原貝の減産により、新物生産が前年比6割減の3000トン(北海道漁連推定)に減った。製品相場(消費地)は原貝価格が輸出需要の低下を背景に過熱しなかった影響で、前年並みの水準にとどまっている。

 販売状況について消費地荷受は「業務筋はメニューから一度外れてしまうと取り戻すのが困難。価格の乱高下や供給への不安があると長期のメニューに入りづらい」(大都魚類)などと 報告した。

 玉冷は、オホーツクの原貝の増産計画などにより供給が増える見込み。昨期は内販が5年ぶりに1万トンを超えたが、そこからさらなる拡大が求められる。荷受は「昨年、内販が増加した最大の要因は序盤から価格が(下方)修正されたこと。昨年同様、売り足がつくような価格設定を望んでいる」(大都魚類)と、走りからの値頃な相場形成を要請した。[....]