日本海ズワイガニ育成礁500メートル水深に漁礁沈設

2018年11月21日

大水深へ魚礁を設置する作業

 水産庁が直轄事業として取り組んでいる日本海西部地区のフロンティア漁場整備事業でこのほど、約500メートルという大水深での魚礁設置に成功した。日本の魚礁設置では過去最深の記録で、関係者は「世界的にみてもこの水深は類を見ない」と見解を示している。新技術なども活用されており、今後、排他的経済水域(EEZ)での漁場整備を推進していくための大きな一歩となった。
 日本海西部地区は2007年度からズワイガニ、アカガレイの保護育成に向け、兵庫、島根、鳥取県沖のEEZで国直轄の第1号事業として漁場整備が行われている。具体的には2キロ四方に100個程度の魚礁ブロックや鋼製魚礁を設置。保護育成礁内を禁漁区として、周辺に出てくるズワイガニなどを漁獲対象とすることが目的だ。
 調査による推定では、11年の生息密度数が一ヘクタール当たり1・5尾だったが、翌年には32・3尾に上昇。15年には70尾を突破し、その2年後の17年は144・1尾まで密度が高くなっている。水中ロボット(ROV)による目視調査でも隠れ場として機能していることが確認されている。[....]