日本水産完全養殖マグロ月内に販売へ、都内で発表会

2018年3月9日

発表会でお披露目された国産養殖本マグロ「喜鮪金ラベル」

 日本水産は7日、完全国産養殖本マグロ「喜鮪®(きつな)金ラベル」の本格販売を前に東京・港区の八芳園で発表会を開いた。マルハニチロ、極洋に続き大手水産会社による完全養殖マグロが出揃う。

 小林雄二執行役員水産事業副執行は「マグロの全体的な競争の中、少しでもおいしく提供する方法を追求したい」と話し、価格ではなく特許出願中の加工方法などで差別化していく意向を打ち出した。

 「喜鮪®金ラベル」は今月中にも初出荷を目指しており、2017年度は1350尾(70トン)の出荷を計画。18年度には7500尾(350トン)、19年度には2万尾(1000トン)の出荷を見込む。19年度には同社の全出荷尾数の約4割程度が人工種苗マグロになる。

 産地でブロックなどに加工して届け、市場へのラウンドでの出荷は想定しない。養殖事業推進部担当の前橋知之執行役員は、販売先について「完全養殖に興味がある先と商談中」という。海外向け販売も視野に入れており、「産地で加工し、できれば生鮮で販売したい」(小林副執行)と話した。

 試食会で提供したのは14年5月に親魚から採卵後、4年10か月養殖された52キロのマグロ。赤身、中トロ、大トロのにぎり、刺身などを用意。報道関係者らが脂の乗ったおいしさを確かめた。[....]