日本の資源守る、作間・水産庁取締船照洋丸船長に聞く

2019年1月21日

取り締まりの最前線で活躍する作間船長と水産庁漁業取締船・照洋丸

 水産庁は2018年1月に漁業取り締まりの指揮命令系統を一元化した「漁業取締本部」を設置、今年4月の組織改正で漁業取締課(仮称)を新設する。取り締まり体制の強化に向け現在7隻の水産庁漁業取締船(官船)は、2隻の代船建造と2隻の新船建造により21年度末に9隻に増強する予算を付けた。資源の管理や漁業者の安全操業のため日本の海を守るため奔走する漁業取締船・照洋丸の作間道直船長に外国漁船による操業の傾向や漁業取り締まりの実情について、現場の声を聞いた。
 排他的経済水域(EEZ)外の公海、三陸・北海道沖の外延部では、中国および台湾籍船の大型化が目に付く。自国から遠くてシケの日も多いためだろう。経済的な効果を考えてか、船は新しくて大きい。中国周辺海域で魚が獲れないのか、操業の範囲がより広域化している。漁法も、イカ釣りなら日本船が使う何倍もの光力の集魚灯を使っている。政府の許可を取っていない船はやりたい放題だ。違法操業をする船は水産資源の動向を無視し、自分の利益だけを考えている。
 (現場で行う対策は)日本のEEZ内において、外国漁船が日本漁船のそばにいたら、まずは日本漁船の安全を第一に行動する。そのあとで外国漁船を強制的にでも追い出す。違法操業の確たる証拠があれば、日本のEEZから出ても追跡権を行使して、他国の領海までの間に拿(だ)捕する。採証してあれば、次に姿を見せた時に立ち入り検査などをして通常逮捕に切り替える。[....]