[929]平成24年さんま漁業のロシア水域における操業上の注意

2012年7月20日

今年も、さんま漁業の出漁の時期を迎えましたが、漁業者の皆様におかれましては、本年もロシア水域での操業を予定されていることと思います。2012年のロシア200カイリ水域における漁獲割当量などは、11年12月の第28回日ロ漁業委員会における交渉の結果、全体の漁獲割当量は5万6453トン(前年同)、サンマは3万5850トン(前年同)、イカ、カタクチイワシ、サバはいずれも前年同と決定されました。

サンマの許可隻数枠は、前年と同様313隻です。トン数階層別では、30トン未満が185隻、30?50トンが25隻、50?100トンが15隻、100?350トンが88隻になっています。

具体的な注意事項について申しあげます。

まず、操業日誌の記入については、ロシア側の要請により操業日誌の大幅な改正がありましたので、ロシア水域における我が国漁船操業の手引き(別添5および6)を熟読し十分に理解した上で、さんま漁業操業のしるべの記入例を参考に、必要事項を記入し、船内に保持して下さい。ロシア水域操業が終了しても操業日誌は保管をお願い致します。

また、日本の制限条件の変更により操業日誌は3年間の保管が義務付けられたことを申し添えます。ロシア水域に入漁する際には、ロシア政府の手続き規則に基づき、入出域通報、日別漁獲量、旬別漁獲量などの報告をカムチャッカRTSM(漁業部門のモニタリングシステムにおける水棲生物資源モニタリングおよび漁船活動管理地域センター)へ行わなければならないほか、月報については、ロシア漁業庁沿海地方支部へ通報しなければなりません。

さらに、RTSMへの船舶日報(SSD)は、必要事項を記入して、船長が署名の上送信し、船内に保持するとともに、操業または漁期終了後に報告事項の確認などを求められても全ての報告事項を再提出できるよう保管しておいて下さい。

次に違反操業の取締りに関する内容です。

万一違反操業問題が発生すれば、違反した漁船については2年間の許可発給停止となることは勿論のこと、違反を犯した個々の漁船の問題のみならず、ロシア水域で操業する日本漁船全体に対してさらに厳しい操業条件が課せられることとなるなど、日ロ漁業関係の維持発展に重大な悪影響を及ぼすことが懸念されております。

このほか、船舶位置情報(VMS)の欠落や報告との位置のずれについても例年問題となっております。ロシア水域に入域中は常にVMSの作動状況に留意するとともに、自船の位置確認と、位置報告控を忘れずに記入してください。万一技術的な不具合または何らかの理由でVMSの作動が停止した場合は、速やかにロシア水域を離脱するとともに、位置報告控えを所属無線局に送ってください。これを怠った場合も違反となり、許可発給停止となる虞があることから十分に留意してください。

最後になりますが、昨年は事故によりチェックポイントを通過せずに出域した船が多くロシア側より問題として提示されておりますので皆様のロシア水域での無事故操業と豊漁を祈念しております。

(全国さんま棒受網漁業協同組合)